摂食障害のホームページ



【16】-4 現実から逃げるためのアルコール

「まさか自分が」

摂食障害はアルコール依存症を合併しやすいことが知られていますが、私にはその理由がよく分ります。
過食嘔吐し続ける自分を、アルコールなしに直視できなくなっていきます。
過食嘔吐を続けたら身体がどうなるかという正常な見通しを持ってしまったら、耐えがたい不安に見舞われます。
上記の理由から、過食嘔吐症状とアルコールがセットになっていき、アルコールの量も次第に増えていきました。
過食しながら酔っ払って眠ってしまい、吐物が上がってきて目が覚め、あわててトイレに駆け込む、ということもよくありました。
依存症には依存症が合併しやすいものです。

私が過食嘔吐し始めたばかりの頃、医学書で摂食障害について調べたことがあります。
そこには、アルコール依存症の合併が非常に多いという記載がありました。
その頃の私は、過食嘔吐はしても、まさか自分はアルコール依存症にならないだろう、と思っていました。
摂食障害にしろ、アルコール依存症にしろ、「まさか自分が」と思う人ほど、その素因があるのかもしれません。