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【19】-1摂食障害と便通、トイレの悩みについて

(1)排便に関するさまざまな悩み

摂食障害の方の便通の悩みといえば、便秘がもっとも多いでしょう。
その他、ストレスでもって便秘、下痢、腹痛、吐き気をもよおす過敏性腸症候群を合併していたり、トイレへの不安やこだわりが強いなど、便通の悩みやトイレにまつわる悩みを抱える方がたくさんいます。
摂食障害・過食症・拒食症では、下剤・便秘薬、浣腸、その他の強制的に排便を促す薬物や行為への依存など、排便にまつわる病的な行動を伴うことがよくあります。
下剤・便秘薬、浣腸、その他の強制的に排便を促す薬物や行為への依存そのものによって、排便にまつわる問題、トイレの悩みが増え、果ては日常生活、社会生活を送れなくなるほどの結果をもたらすこともあるでしょう。

(2)食べなければ「出ない」のは当たり前

ここでは摂食障害・過食症・拒食症がいかに便秘になりやすい病気なのかを見ていきましょう。

拒食や絶食、節食のせいで便秘になるのは当然のことです。
拒食、絶食、節食は、からだが欲するエネルギーよりもはるかに少ない食事量の状態です。
からだが欲する分の食事、つまり、エネルギーの供給が絶たれたために、からだが自動的に省エネモードになり、代謝が落ち、からだから出て行くものを最小限にして、対応しているのです。
食べなければ出ないのは当然の反応なのです。
摂食障害では、食事量が十分でないために便秘に陥っていても、では充分食べればいい、というわけにいきません。食べ過ぎ(過食)も、食べなさ過ぎ(節食、絶食)も、摂食障害の症状であり、食べることをコントロールできない、自分の腹時計に従って、タイミングよく、適切に食べることができない病気なのです。
そんななか、食事を充分に摂ること以外で便秘をなんとかしようとするので、下剤・便秘薬、浣腸など、強制的に排便を促す薬物や行為への依存に至ってしまうわけです。

摂食障害・過食症は、食事制限が症状として見られなくとも、便秘になりやすいでしょう。
便秘になる要因はたくさんあり、以下に順番に述べていきます。