【17】-6 便秘薬・下剤や利尿剤が妊娠に与える影響について
(1)流産や子どもに障害が残る
妊娠中に下剤・便秘薬、利尿剤などを使っていると、母親自身の身体やおなかの赤ちゃんに悪影響があります。
市販されている下剤・便秘薬の多くは、腸を無理やりにでも動かして排便を促すものです。
この便秘薬の作用が子宮に働いてしまうと、子宮筋を不要に収縮させて流産に至る可能性があります。
下剤・便秘薬を常に使っていたり、規定量以上に使っている場合、特にその危険が大きいでしょう。
また、妊娠中から便秘薬・下剤や利尿剤を使っていると、生まれた赤ちゃんに無呼吸発作という呼吸の障害がでる場合があります。
便秘薬・下剤、利尿剤を使っていることで、母親の血液の中性バランスが崩れ、アルカリ性に傾きます。
生まれた子どもにもその影響が残り、アルカリに傾いた血液のバランスを取るために無呼吸発作が起こります。
赤ちゃんの無呼吸発作は、全身の重要臓器が低酸素に陥ってしまうほど長期間、起こることもあります。
これは、各臓器がまだまだ発達途上の赤ちゃんの身体にとって大打撃です。
脳の発達に悪影響がでる場合もあるでしょう。
(2)摂食障害と下剤・便秘薬
たくさん食べてしまったから多めの下剤・便秘薬を飲んで帳消しにしようというのであれば、自分でも気づかぬうちに、あなたは摂食障害・過食症・拒食症を発症している可能性が高いでしょう。
また便秘薬や下剤を規定量以上に飲んでしまう場合、摂食障害の関与はほぼ間違いありません。
再発の問題は摂食障害・過食症・拒食症医療の最大のテーマですが、便秘薬・下剤や利尿剤の使用がある摂食障害・過食症・拒食症の例は病状が重く深刻であることが多く、妊娠を希望するのであれば、完治をお勧めします。
妊娠による便秘が引き金になる場合もある
妊娠後期には、大きくなった子宮によって腸が押しつぶされるため、ふつうでも便秘になりやすくなります。
そのような状態で、下剤・便秘薬に頼らなくても大丈夫な状態というのは、並大抵のことではありません。
摂食障害・過食症・拒食症であれば、妊娠中であっても、多くの方がこっそりと、あるいは自己判断で下剤・便秘薬、ときには利尿剤を使ってしまうことでしょう。
または、そういう形で再発してしまうでしょう。
また、摂食障害・過食症・拒食症の方の多くが便秘に悩んでいますが、この病気の方が便秘薬・下剤に一度頼ってしまうと、便秘薬・下剤常用・乱用に至ることが多いのです。
最初は月に数回だったものが、気づけば毎日に、いつのまにか規定量を越えた使用になってしまいます。
(3)「これぐらい大丈夫」が危険なサイン
便秘薬・下剤の使用は、「これぐらい当たり前。」「これぐらい普通。」から始まり、いつのまにか人目を忍ぶほど、家族にも隠れて使わなくてはいけないぐらいの異常な量に増えていきます。
このようにして、摂食障害は、音も無く忍びより、あなたの人生をがんじがらめにしてしまうものです。
妊娠してもそれを止めることはできません。
おなかの赤ちゃんごとがんじがらめになるだけなのです。
便秘薬・下剤や利尿剤を「なんとなく」使いながら妊娠してしまうのは非常に危険なことです。
過食衝動をなくせば、過食・過食嘔吐・チューイングのみならず、便秘薬・下剤、利尿剤のあやまった使用もやめられるでしょう。
がまんすることなく過食・過食嘔吐・チューイングを止めることは、便秘の改善にも役立ちます。