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【9】-11 常位胎盤早期剥離の概要

(1)母児の命に係わる疾患

常位胎盤早期剥離は、お腹の子どもが子宮の外へ出てくる前に、胎盤がはがれてしまう病気です。
胎盤がはがれることで、母体には出血多量の危険が生じます。
子どもにとっては、命綱である胎盤が機能しなくなるので、命の危険が生じます。
常位胎盤早期剥離は母児ともに命の危険のある、重篤な疾患です。
常位胎盤早期剥離は、胎盤の完成する妊娠中期から後期にかけて起こりうるものです。
平均すると約1%の確率で起こるといわれています。
今も昔も、お産(分娩)は命がけです。
それは常位胎盤早期剥離が存在するためでもあります。

(2)予知も予防も難しい

リスク因子によって、常位胎盤早期剥離になりやすい妊婦さんが分かっている場合もあります。
常位胎盤早期剥離の既往、妊娠高血圧症候群、子宮内胎児発育不全、外傷などです。
しかし、常位胎盤早期剥離の過半数は、なんのリスクもなく順調に経過している妊娠女性に起こります。
常位胎盤早期剥離は、発症予知が難しくその予防法もありません。
一旦起こってしまえば、検査・診断・治療をいかに迅速に進めるかで、母児の予後が大きく変わります。
そのためには、常位胎盤早期剥離のリスク因子の有無を、医療従事者が認識していることが非常に重要なカギとなります。